地震が多く、2019年は度重なる台風の被害にも悩まされました。
停電や断水などの被害にあった時、ミルクしか飲めない乳幼児がいるご家庭は心配ですよね。
そんな時便利なのが液体ミルク。
缶や紙パックに入っていて調乳することなく飲める赤ちゃん用のミルクです。
消毒した哺乳瓶に入れ常温ですぐに飲ませられるので、災害時はもちろんママの体調不良時、夜間の授乳、お出かけ先でも色々な立場のママの授乳を手助けできると話題になっています。
今回は日本での販売が始まったばかりの液体ミルクについて掘り下げ、ご紹介していきたいと思います。
液体ミルクとは
液体ミルクが注目を浴びるようになったのは、2016年に発生した熊本地震からと言われています。
お湯がいらず育児の負担が少ない液体ミルクは災害支援としてフィンランドから熊本へ贈られました。
被災地では粉ミルクのための綺麗なお湯を確保することが難しく、粉ミルクを持ち出すことができても溶かすお湯も用意できません。
開栓して常温のまま与えることのできる液体ミルクが当時日本にもあれば助かった、と考えるママは少なくないでしょう。
2016年時点では日本での生産はなく、2018年9月の北海道胆振東部地震では外国製の液体ミルクしかなく、日本での安全性や使用法の周知の不十分さから使用されなかったこともありました。
このことからSNSを中心に多くのママの間で話題を呼び、2019年春に日本で初めての液体ミルクが誕生することになります。
日本での液体ミルク
出典:楽天
2019年3月より、日本での液体ミルクの製造・販売が開始されました。
今のところ明治のほほえみ らくらくミルク、グリコのアイクレオの2種です。
メリットは開栓してそのまま赤ちゃんに飲ませられること。
60度のお湯を用意しミルクをはかり、溶かして冷ましてという調乳の手間の必要がなく、消毒した哺乳瓶に移し替えてそのまま飲ませることができます。。
このそのまま飲ませることができるという最大のメリットは、災害時だけでなく体調不良時や忙しい働くママなど、助かると感じる人は多いと思います。
もちろん外国製のミルクも安全ではあるのですが、国産の液体ミルクであるということにも大きな安心と魅力を感じる人もいるのではないでしょうか。
価格は粉ミルクに比べると高く、気持ちの敷居は下がっても使い続けるにはまだちょっと…というご家庭もあると思いますが、災害用の備蓄として備えるのに便利ですし、育児用品を取り扱う店や薬局だけではなく、液体ミルクを置いて販売を始める店も増えています。
東京ディズニーリゾートではパーク内3か所のベビーセンターで取り扱いを開始。
エキナカやイオン、ローソンとファミリーマートでも取り扱いを開始するとの報道もありました。
それでもまだまだ普及中の液体ミルク。
どちらを選んだらよいのか?
便利なのはわかったがそもそも使用して大丈夫なのか?
気になることはたくさんありますよね。
では次の項目で、らくらくミルクとアイクレオを比較してみましょう。
液体ミルク 商品紹介
ではまずは2つの商品を順番にご紹介します。
明治ほほえみ らくらくミルク
出典:楽天
明治ほほえみ らくらくミルクは哺乳瓶に注ぐだけの液体タイプ。
母乳を徹底研究し、安心と安全を考えられ、母乳代わりとして使用できる液体ミルクです。
らくらくミルクの最大の特徴は壊れにくいスチール缶を使用していること。
酸素や光といった中身の品質を劣化させる要因を排除し、完全に遮断できる密封性と気密性を持っています。
充填後に高温殺菌しているため、液色が茶色になっています。
ですがそのおかげで、製造日から一年間の保存が可能となり、より備蓄しやすいようになりました。
高温・凍結を避け、常温で保存し、直射日光があたるところや夏場の車の中、火の側は避けて保管しましょう。
気になる栄養設計ですが、明治ほほえみの粉・キューブタイプと同等となっています
量は240ml、メーカー希望小売価格は215円(税別)となっています
- 保存方法:高温・凍結を避け常温で保存する
- 調乳・温めなしで赤ちゃんに飲ませることができる
- 良く振ってから、哺乳瓶に入れ替えて飲ませる
明治ほほえみ らくらくミルク 常温で飲める液体ミルク 0ヵ月から(240ml)
グリコ アイクレオ 赤ちゃんミルク
出典:楽天
母乳に近づけ原料にこだわり、日本で初めて生まれた液体ミルク、それがアイクレオ赤ちゃんミルクです。
こちらは海外の液体ミルクでもよく使われ主流となっている紙パックを使用。
6層からなる構造でしっかり品質を守ります。
また、丈夫ですが重いスチール缶にくらべ、軽量で持ち歩きしやすく、紙なので捨てやすいという特徴もあります。
超高温短時間殺菌により、ミルクの白さを保ちます。
無菌パック製法により、長期常温保存も可能。
常温で6か月の保管ができるので、いざというときの備蓄にも使用できます。
1本125ml、メーカー希望小売価格は200円(税別)です。
- 保存方法:常温を超えない温度で保存
- 温めることなく、赤ちゃんに飲ませることができる
- 哺乳瓶に入れ替えて飲ませる
アイクレオ 赤ちゃんミルク(125mL*24本セット)【アイクレオ】
液体ミルクをお得に使う方法とは?
まず価格は両社ほとんど変わりませんが、1本で125mlのアイクレオに対しらくらくミルクは240mlあるので、コストパフォーマンスは明治のほうが上と言えるでしょう。
しかし、粉ミルクと比較した場合、どちらも価格は2~3倍となりますので、ミルクで育児をしているご家庭には少し負担が重いと感じる人が多そうです。
また、飲み残しのミルクは廃棄することになるので、量を調整できる粉ミルクのほうが経済的と言えますし、よく飲む子はアイクレオ1本では物足りなくなります。
現状、夜間の授乳や出かけた先、また災害用の備蓄として使用して、粉ミルクと使い分けるのが一番お得と言えそうです。
1年という長期間保管ができる分、備蓄としては缶が丈夫ならくらくミルクの方が特におすすめです。
缶から直接消毒された容器に移し替えることができます。
ですが丈夫な分缶が重いので、出かけた先では軽量で捨てやすいアイクレオに軍配が上がります。
ストローから消毒された容器に注ぐことになるので少々面倒だったのですが、最近便利な商品も開発されました。
便利なアイテム達
イギリス産 ステリボトル
こちらはイギリスで10年前から使用されている使い捨て哺乳瓶です。
パッケージを外してすぐ使用し、使い終わったら捨てるため、清潔に使用することができます。
そもそも災害用の備蓄として液体ミルクを用意しても、消毒用のお湯を用意したり、電子レンジを動かすことができるかもわかりませんよね。
災害用に備蓄するのなら、使い捨て哺乳瓶も用意しておくと安心です。
また、重量が29gしかないので、お出かけの時にも便利です。
重い哺乳瓶を持ち運ぶのが煩わしいのなら、こういった便利グッズを上手に活用しましょう。
- フード・キャップ・乳首セット×5個 ボトル×5個 封シール×1枚
- 最大目盛容量:240ml
- 素材:(フード・キャップ・ボトル)ポリプロピレン (乳首)TPE/熱可塑性エラストマ―
クロビスベビー 使い捨て哺乳瓶 ステリボトル 5個×1セット 液体ミルク対応
専用の飲み口も登場
紙パックのストローに取り付け使用できる、シリコン製の専用飲み口も開発されました。
紙パックの角に固定し、使用することができます。
都内の赤ちゃん用品専門店で体験会が開催され、ニュースにもなりました。
グリコだけでなく明治でも、液体ミルク専用の器具の発売が予定されています。
ますます使いやすく便利になりそうですね。
液体ミルクの使用法の注意点とは
液体ミルクを温めたいときは、清潔な哺乳瓶に移し替え、用意したお湯で湯煎して温めて下さい。
電子レンジや直接火にかけないでください。
40度くらいの人肌の温度になっているのを確認して飲ませましょう。
液体ミルクを使用するときは手を洗い、消毒され清潔な容器を使用しましょう。
飲み残しのミルクは飲ませず、もったいないですが廃棄してください。
液体ミルクはどこで買えるの?
出典:楽天
液体ミルクはトイザらスや西松屋といったベビー用品の販売店や、薬局などでも購入できます。
コンビニでの取り扱いが今後もっと普及していけば、さらに使いやすく便利になりますね。
しかしその分値段に割高感も…。
そういう時はネットをチェックしてセール品を狙ったり、まとめ買いでお得に購入するのがおすすめです。
重い荷物を運ぶより、家まで配送してもらった方が手間もかかりませんよ。
まとめ
・開栓して常温のまますぐに飲ませることができるため、お湯を用意したり、調乳の必要がない
・消費期限が半年~1年あるので災害時の備蓄として便利
・粉ミルクと違って持ち歩くとき軽量であったり、お湯の準備がいらないのでお出かけ時にも便利
・備蓄として便利な丈夫なスチール缶、持ち運びに便利な軽量な紙パックと選べる
・栄養素は粉ミルクとほとんど変わらない
・ただし、価格が粉ミルクに比べ2~3倍と割高感がある
以上が今回わかった液体ミルクについての特徴です。
メリットが多く便利な液体ミルクにも、デメリットもあることがわかりました。
しかし清潔な水や容器が準備できないような状況の災害が起きやすい日本では、あるとこれほど心強い商品はないかもしれません。
災害時に備えたり、もちろん育児を楽にすることが目的でも、液体ミルクはとても便利な商品なので、是非一度試してみてくださいね。